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自民、公明、日本維新の会の3党政調会長は21日、令和7年度予算案の修正に関する合意文書を取りまとめた。自民は当初、維新が求めた高校授業料無償化に慎重だったが、公立の無償化を先行実施するなど譲歩し、維新も賛成に傾いた。しかし、維新内の反発や社会保険料改革を巡る追加要求が交渉の停滞を招いた。特に「医療費総額4兆円削減」の明記を求めた点で与党側は困惑し、最終合意には至らなかった。維新内の主流派・非主流派の対立も影を落としており、前原誠司共同代表は党内手続きを経て与党と合意する意向だが、承認の行方は不透明である。こうした状況を踏まえ、3党は「合意」ではなく「議論終結」と説明し、最終調整を党首会談に委ねる構えを見せた。自公が過半数割れをしている中、野党の一部を賛成に取り込まなければ今年度予算は成立しない。そこで野党は足並みを揃えず、各党が自公と個別交渉を進め、自党の要求を実現しようとしている。しかし、その戦略では野党が自公に足元を見られるだけであり、結果的に自公の譲歩の基準は「最も安価な野党要求の実現」で予算成立となる。現在、その「最安値」を提示しているのは維新の私学高校無償化案である。維新は医療費総額の4兆円削減も要求しているが、このままでは給与限度額をなくした私学無償化の約6,000億円(今年度だけなら1000億円)のみが実現し、妥協点となる可能性がある。その結果、先の選挙で多くの国民が望んだ7兆円越えの減税は実現せず、水泡に帰すこととなる。
前原氏が関与すると、こうした事態になることは予測されていた。彼の行動は過去にも一貫して期待を裏切ってきた。民主党政権時代、国土交通相として八ッ場ダム建設の中止を掲げたものの、関係自治体からの反発で撤回。中国漁船による海保船への体当たり事件では船長を厳正に処分すると表明しながら、中国に帰国を許可。民進党が衰退すると希望の党に接近したものの、党の分裂を招き、国民民主党の代表選に敗れると党を離脱、最終的に維新へと流れ着いた。彼の行動は常に周囲の不信を招き、組織の分裂を引き起こしている。前原氏の問題点は、周囲と十分な協議を経ずに独断で動く点にある。本人は善意のつもりかもしれないが、周囲からは「勝手に決めてしまう」と見なされ、信頼を得ることができない。堪え性のなさが露呈するたびに、彼の影響を受けた政党は混乱を深めてきた。もし、彼の短絡的な交渉が国民の求める減税を頓挫させるならば、維新の支持低下は一層加速するだろう。