ゲストハウス考
2025-07-16


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一関のGHの主人が言うには、「陸中宮古はめちゃくちゃ時間かかるぞ、朝は早く出ろ」だそうだ。そら確かに遠いけどなあ、と少し首をかしげた。だって、盛岡のGHの主人は「遠野から復興道路走れば楽勝、運転はスイスイよ」なんて言ってたからだ。どっちが本当なんだか、土地の人間のくせに言うことバラバラやんけ。つまるところ、人による、ということなんだろう。盛岡の主人は、嫁にしたいくらい気が利くナイスガイで、なんでもよく知っている。いい意味でうるさい。逆に一関の主人は悪い人じゃないけど、なんとなく片手間でGHやってる感じで、一人一部屋のスタイルだから宿代も高め。だけどまあ、その辺はそれぞれの流儀ってやつだ。ワシはどっちかっていうと、盛岡の4000円GHに軍配をあげたい。

旅人ってのは、ほとんどが一期一会だ。だからこそ、ちょっとした気配りとか、地元の知識を「ググる」レベルで出すんじゃなくて、地面からじわっと湧き上がるような話をしてほしい。せっかくそこに住んでるのだから、もうちょい頼むわ、と思ったりもする。

一関から3時間走って龍泉洞。岩泉町にある日本三大鍾乳洞のひとつ。地底湖はべらぼうに透明で、深さ98メートルっていうからすごい。ライトアップもされてて、観光地感まんさい。でもワシは、山口の秋芳洞のほうがいい。あっちはとにかくでかい。広い。歩いてて気持ちがいい。龍泉洞はというと、幅が狭くてアップダウンが激しくて寒い、正直めんどくさい。足の弱ってきたワシにはちょっとした苦行だった。

最後の夜は、陸中宮古。津波で甚大な被害を受けた土地だが、今は復興して綺麗なキャンプ場までできている。そのキャンプ場がすごい。なんとシャワーのためにバイオマスボイラーを導入している。どんだけ金かけてんだ。と思いながら湯を浴びた。そして、泊まってたのはワシだけ。50張分のサイトを独り占め。平日だからか、それともクマが怖いのか。AIの回答によると、キャンプ中にクマに襲われる確率は、交通事故の1万分の1以下らしい。じゃあしょうがないな、と納得しつつも、やっぱり出たら終わりだな、と思う。そんなことを考えながら、加川良の曲をかけて、焚き火の音を聞きつつ、酒をちびちびやっていた。雲の合間から夏の大三角形、夜はしんしんと更けていく。明日は復興の後を見ながら仙台まで行く。
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